【子育て世帯向け】注文住宅に「防音」が必要な理由

生活音トラブルは近隣住民との関係をこじらせる原因にもなります。理想の家を建てる前に、音にまつわる問題や対策について押さえておきましょう。

意外な盲点？子どもの生活音トラブル

生活音の中でも子どもが原因のトラブルは多くみられます。家と家の距離が近い住宅密集地ではとくに注意が必要でしょう。家族にとっては我が子や孫の飛んだり跳ねたりする行為は「いつものこと」かもしれません。しかし、近所の人にとっては騒音でしかないのです。

赤ちゃんの夜泣きも、深夜だと周囲が静かな分響いてしまうことも。特に音に対して敏感な方が近所にいる場合、口論に発展するリスクもあるため、隣との距離が近い場合は注意が必要でしょう。

自宅内での生活音にも注意

自宅の中で音が響く原因は主に2つ。「家の防音性能の低さ」と「防音性能の高さから反響していること」があげられます。

防音性能や遮音性が高いと、外からの音は入りにくくなるため、一般的には静かで過ごしやすい部屋になると考えられます。しかし、室内で発生した音も外へ出にくくなるため、室内での反響音に悩まされる場合もあります。

木造住宅の吹き抜けやロフトのような広い空間を構築している間取りは特に注意が必要となります。

注文住宅に取り入れたい防音対策

音が響きにくい素材を選ぶ

音の反響対策を考えるなら、素材の選定がポイントです。音を吸収するような素材なら、室内の反響を抑えやすくなります。たとえば断熱材のグラスウールやロックウールのような断熱材は音を吸収します。防音対策としてこれらの断熱材を選択肢に入れてみてもよいでしょう。

素材以外の対処法としては、外壁と内壁の他、仕上げ材の間に空気層を作るという対策も有効です。

2階と1階の間に隙間を作るといった方法も有効。空気層が生まれます。音の振動が伝わりにくくなるため、響きにくくなります。

間取りを工夫する

防音対策を行うなら設計段階から、設計士や担当者と防音対策ができる間取りについての相談することもできます。音が響きやすい吹き抜けやロフトを取り入れたい場合、防音の観点から考え担当者に相談してみるとｙいでしょう。

また、隣近所だけではなく、家族みんなが落ち着いて過ごすことを考えた防音対策も必要です。駐車場やボイラーのすぐそばに部屋を設置しないことも考えましょう。トイレや洗濯機など、生活音が発生しやすい場所から離して部屋を設置するのもポイントです。

床への防音対策

床の防音対策も有効です。2階建てなら2階の床から1階へ足音が響きやすい点に注意。防音対策として、1階天井に断熱材を多めに設置するといいでしょう。

遮音性が高い床にするのもおすすめです。床下に防音シートや遮音ボードを設置するだけでも防音対策になります。

外部の音が気になる場合の防音対策は？

外壁への防音

外壁の防音を考える際の基本は厚みです。壁は厚みがあるほど音を通しにくくなるため、壁の厚さを考慮した設計が必要です。また、外壁材にもこだわったほうがいいでしょう。

遮音性が高い外壁材として「タイル」「コンクリート」「サイディング」があります。逆に「木材」「樹脂系サイディング」「金属系サイディング」は遮音性が低い外壁材のため注意。

外壁への対策が難しい場合は、内壁に遮音シートの下に仕上げ材を使ったり、空気層を取り入れたりすることでカバーできます。

屋根の防音

屋根材でも防音対策ができます。屋根で音が発生する原因の多くは雨音です。防音効果が高い屋根材として、コンクリートや和瓦があります。また、軒先を長くするのも有効です。軒先を長くすれば外壁に雨が当たりづらくなるため、雨音対策になります。

逆に注意したいのがガルバリウムのような金属屋根です。金属屋根は音が響きやすいため、防音を優先する場合は注意しましょう。金属屋根で防音対策を行いたい場合は、屋根裏断熱を使った防音対策も検討してみてください。

窓の防音

窓からも外の音が入りやすいため対策が必要です。窓は防音性能が高いものを選ぶとよいでしょう。樹脂サッシや複層ガラス、二重窓なども防音性能が高いため要チェック。他にも遮音テープや遮音カーテンなども取り入れてもよいでしょう。

一方で注意したいのはアルミサッシの単板ガラスです。費用が手頃な商品は多いですが、防音性能という点では十分とはいえません。防音対策を考えるなら、窓にも予算を割くことをおすすめします。